2013年度 理事長 所信

 

2013年度理事長

     前 田 秀 和

所  信

 

「神は乗り越えられない試練は与えない」
震災後、私は心の中で常に想っています。自身の経験から、忘れようにも忘れられない過去と向き合うことが、新しい時代を創造し光を与えられることを。

 

~はじめに~

 

1949年強い志を持ち、戦後復興の大きな変革をしようとする若者達の熱い思いで青年会議所活動が始まり全国へ広がりました。時を経て1971年全国で473番目に社団法人阿波池田青年会議所が創立し41年、これまで多くの先輩方が積み重ねてこられた輝かしい歴史と伝統により、また、共に活動して頂いた関係諸団体や地域の皆様のお蔭で、本年度42年目を迎えることが出来ました。
我々の活動拠点である三好市・東みよし町では、ここ数年来より少子高齢化、人口減少等々厳しい現実に直面しています。加えて、東日本大震災というこの日本が戦後体験し得ない未曾有の災害により、日本の安全神話が崩壊し、経済、安全、情報等今まで信じていた事柄が一瞬にして崩壊してしまいました。混迷を極める政治、先の見えない混沌とした現代に今何をすべきなのか、もう一度原点に立ち返り青年の使命感のもと、「明るい豊かな社会」実現を目指す運動を自ら率先して行動し、「自分づくり」の根源を見つめ直さなければなりません。そうすることで、強い意志を持ち、自らをも変革することが出来るのです。
我々は次代を担う人財や地域の良きリーダーとなり、仲間と共に繋がりあうことで、仕事や様々な活動を通して我々の住む地域の発展に繋がっていくと確信し未来へ向け、前に進まなければなりません。

 

~健全な組織運営と効果的な情報発信~

 

社団法人・財団法人のあり方を抜本的に見直すため2008年12月に施行され、本年11月末をもって移行期間が終了となる公益法人制度改革では、全国の青年会議所が健全運営かつ公益性をもつ社団法人であるか否かを問われ、阿波池田青年会議所も数年にわたり様々な議論が繰り返され方向性も決定しました。
しかし、時代の変化とともに我々の運動方法も年々変化し、今後の長期ビジョンを創造し時代に合った運動をしていかなければなりません。今後新たなステージへ挑戦する事で、これからの我々のあり方を今一度確立し、これまで以上に公益性を重視した健全な、透明性のある組織の運営を図ることにより、阿波池田青年会議所に大きな成長をもたらすと考え、まちに必要とされる頼もしい組織となり、更なる存在意義の確立が図れると確信しています。
そして、我々の活動を広く地域住民の方々へご理解いただくために、情報を発信する広報活動も非常に重要です。ホームページやSNSを最大限に活かし、日々の活動報告や事業告知などあらゆる情報を正確に滞りなく、青年会議所活動の想いや目的を伝えることで、より効果的で効率的な情報発信を行います。

 

~会員の資質向上と会員拡大~

 

ここ数年来、会員減少に悩み組織の運営にも苦慮しています。今、我々会員の資質を問われているのではないでしょうか。先ず会員の資質が向上出来ない限り、会員拡大は形骸だけの活動になってしまい、いつまでも成果は得られません。
「明るい豊かな社会」を目指すJAYCEEであるならば、まずは我々が明るく豊かな魅力溢れる人間でなければなりません。「個」の魅力があってこそJC活動の説得力が高まり、地域からもより信頼される組織となります。「個」の魅力は他の人の様々な魅力に触れることによって向上します。会員一人ひとりが阿波池田青年会議所の存在意義を理解し、精一杯JC活動に取り組まなければなりません。何事にも積極的に参加し、意見を出し合い、お互いが助け合いながら、一つのものを創りあげていく、その過程で、感謝の気持ちや新たな友情・信頼関係や達成感を共有することができ、会員個々の資質向上に繋がります。
そして、そこで生まれた連帯感や団結心を基に、会員一人ひとりがこのかけがえのない阿波池田青年会議所という組織を未来へ繋げていこうという熱い想いになることが会員拡大の第一歩であると考えます。

 

~次代を担う青少年の健全育成~

 

魅力のあるまちづくりは、輝ける未来を生きる子どもたちの健やかな成長があってこそ成り立ちます。子どもたちを取り巻く環境は日々変化しており、我々が育ってきた環境とは大きく異なります。最近の若者の中では、就職活動の面接で自分の長所はと聞かれ答えられない人も多いようです。子どもたちが社会人になった時、自分の長所を自分で言える、自分に誇りを持てる人間として我々が育て、時には育つのを見守る事も必要です。私たち阿波池田青年会議所は子どもたちを育て、そして育つ環境の場を創造し、思いやり、うれしさ、楽しさ、悔しさなどの経験や体験を提供できる事業を行っていかなければなりません。
その子どもたちが未来を担う若者たちへと成長し、そしてその若者たちが未来のまちを発展させることに繋がると確信しています。子どもたちの無限大の可能性を信じ笑顔の輝く未来に繋げるべく、青少年育成事業を展開していきます。

 

~明るい豊かなまちづくり~

 

我々は、このまちが明るい豊かなまちであり続けられるよう、常に提案し行動しなければなりません。変えるべきことや変えてはならないこと、新しく創り出すことを他人任せではいけないという考えの基、「住民参加型マニフェストサイクルの定着」をめざし、7年が過ぎました。行政や地域住民にも少しずつではあるが浸透してきたのではないでしょうか。
しかし、未だに「自分が何をしてもまちは変わらない、誰かがどうにかしてくれる」という無責任・無関心な考えがあります。本年度はマニフェスト検証・評価に市民と共に正面から向き合います。今後の我々の住むまちのあり方を考える重要な機会と捉え、住民一人ひとりにこのまちの責任や関心をもたらすことで当事者意識を醸成させていきます。そして自治体と共にまちづくりに参画や協力をしていく住民を一人でも増やし、困窮を極める地方の復活を推進していくことが目的と掲げ、マニフェストサイクルのさらなる確立に取り組んでまいります。

 

~心からの被災地支援~

 

私は、被災地での人々の行動から、忍耐や奥床しさ、団結と互助、献身や自己犠牲という、今日では軽視されつつある日本人の誇りともいうべき精神や、日本人の秘めたる力と未来への可能性を改めて学びました。
東日本大震災の爪痕は、短期の支援活動などではどうなるものでもありません。物質的支援から心のケア、自立への支援とまだまだ我々に残された課題は沢山あります。2年が過ぎようとしている今、我々に何が出来るのか。被災された方々から求められる、心からの支援活動をしていかなければなりません。現状としっかり向き合い、現地の人々の気持ちや声に耳を傾け、継続的な支援を展開していかなければいけません。

 

~魅力ある継続事業の実施~

 

継続事業とは、毎年行われる単なるイベントであってはいけません。何のために誰のためにその事業を開催するかです。事業の中に込められている我々の想いが、参加する者の心に引き継がれ、この地域に住む人々の心に広がっていくことこそが、真の継続事業です。「初めは小さなことでもやがて大きな実となり成果は表れる」
ここ数年の継続事業は地域の方々からの期待も大きく、今後もより求められるためにも一層の充実を図り、時代に合ったテーマを設定し事業を創造してまいります。

 

~おわりに~

 

厳しい時代です。
苦しくて挫けそうな時もありました。「俺には無理だ」と投げ出そうとした瞬間もありました。でもそんな時、周りを見渡せば苦しい様など微塵も見せず、歯を食いしばり頑張っている仲間の姿がありました。何の見返りも求めず、自分を信じてついてきてくれる仲間がいました。
仲間への信頼と感謝の気持ち、そしてそこから生まれる絆があります。私はこのまち、この阿波池田青年会議所に育てられたと言っても過言ではありません。生れも育ちも違うこの私に、かけがえのない出会いと貴重な体験というプレゼントをくれました。このまちの為に、今の自分に何が出来るのでしょうか。色々な方々から受けてきた恩を少しでも返したいと思い、本年度は理事長として率先して能動的に取り組んでまいります。志高く誠実に献身的な姿勢で、阿波池田青年会議所の限界、会員個々の限界を再確認しそれを突き破り、そして、このまちに光を与えられることを目標とし突き進んでまいります。

基本方針

一、健全な組織運営と効果的な情報発信の実施
一、会員の資質向上と未来へと繋がる会員拡大
一、次代を担う青少年の健全育成事業の実施
一、マニフェストサイクルの更なる確立を目指した運動
一、更なる魅力に溢れた継続事業の実施
一、地区協議会・ブロック協議会への参画と協力

 

 

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